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  • 前田耕作: 『玄奘三蔵、シルクロードを行く』 

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2020年3月

2020年3月23日 (月)

『ペスト』  アルベール・カミュ   新潮文庫

 新型コロナウイルス肺炎以来、増刷を続け、新潮文庫のドル箱になりつつあるのだそうである。昔、大学生だったころ、サルトルなどと一緒に読んだ本で、実に50年ぶりの再読。原作は1947年。

 アルジェリアのオランという港町が舞台である。ある日医者のリウーはアパートの階段の真ん中で、ネズミが一匹死んでいるのを見た。ペストの発生である。街は封鎖され、医者と住民はこの致死率の高い恐ろしい伝染病と、長く戦うことになった。門番、喘息持ちの老人、運悪く滞在していた新聞記者、検事、犯罪者、聖職者、子供たち、住民すべてが巻き込まれて、多くが死んでいく。なぜこんな理不尽なことに耐えねばならないのか、生にどんな意味があるのか、実存主義文学の傑作といわれるだけあって、淡々とした描写のなかに迫力があり、内容を覚えていたにもかかわらず、深い感銘を受けた。

 哲学はともかく、今のご時世に役立ちそうな知識を、この名作から。

 1. 患者はすぐ隔離して治療。相部屋でよい。
 2. 家族などの濃厚接触者も、すぐ隔離。個室で別々に。一定期間が過ぎたら解放。
 3. 街と港湾は完全に封鎖。誰も出入りできない。
 4. 住人のボランティアによる保健衛生部隊の編成。

 カミュはこれを第二次世界大戦中に書き始め、何年もかけて完全したそうである。たぶん対独抵抗活動をした経験が、作品の迫真性を生んでいるのだろう。それにしても、今の状況にぴったりしすぎである。
 訳文が固くて古く、ときに読みにくかった。50年前には平気だったのに……。新訳が出るのを期待している。

 

 

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2020年3月21日 (土)

春の庭

 日が眩しく差していて暖かいのだが、風が強くて花粉も酷く、散歩しにくい。世の中は新型コロナウイルス肺炎で騒がしいので、地下鉄やバスで出かけるのは最低限にしている。ほんとうにどうなるのだろう・・・・・。明かに都市部で感染が増えているように見える。東京もいつかオーバーシュートするのだろうか。気がかりだけれど、今は何科の医者にもかからないですむように、せっせと散歩している。それと歯磨き。口は災いのもとというが、病のもとにもなるそうだから。

 庭の茱萸が花をつけた。毎年のことだが、なぜか実がならない。なっても一つとか。小さなラッパ型でとてもかわいい。

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 近所には杏が咲いた。いつもは桜より早く咲くのだが、今年は同時である。

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2020年3月20日 (金)

『地形の思想史』   原武史  角川書店

 難しそうな題だが紀行文で、雑誌「本の旅人」などに連載されたものをまとめた本。旅先は日本国内だけ。第1章は静岡県浜名湖にある岬、上皇夫妻が3人の子供たちと夏を過ごした場所である。第2章は東京奥多摩の大菩薩峠、連合赤軍事件に関係がある。第3章は瀬戸内海の長島、ハンセン病施設の話で神谷美恵子のことも出てくる。第4章は富士山の麓の上九一色村、オウム真理教などの話。第5章は・・・・・・、いい加減にしておこう。
 いずれも簡単には語れない地域ばかりで、政治思想学者としての原と鉄道マニアとしての原が、自然に同居していておもしろい。通奏低音のように、戦後の象徴天皇制についての考察があって、私たちに常に影響を与えているのだとつくづく思った。

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2020年3月11日 (水)

春なのに・・・・・

 よく晴れて暖かい。近所の杏や木蓮が咲き始めた。

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 でも出られない。買い物などには行くけれど。近所には大きなスーパーマーケットがあり、食料品売り場にはそこそこ人が出ていた。ここにはイートイン・コーナーがあって、平日の昼間は高齢者がたくさん利用していて、知らない者どうしでよくおしゃべりをしていた。そのコーナーが、新型コロナウイルス感染症流行で、閉鎖になってしまった。スペースには段ボール箱が積まれ、味気ないことである。流行が過ぎたら復活するだろうか?

 当局には検査と治療に励んでもらうしかない。こちらとしては、病院やクリニックに近づかないですむように、体調を管理しよう。スポーツジムにもしばらく行かれないから、当然ながらプールで泳ぐのもお休みだ。何となく背中が凝る。ストレッチやら散歩やら、ポツポツとやっている。

2020年3月 7日 (土)

看板ドクター

 新型コロナウイルス感染症がはやり出してから、初めて地下鉄で遠出。都心の大病院である。地下鉄は空いており、病院もいつもの半分くらいしか患者がいなかった。警備員と消毒コーナーばかりが目立つ。
 待ち合いのコーナーもガラガラで、みんなゆっくり間を置いた席に座っている。診察も待たなかった。お医者さんはここの病院の看板ドクターのひとりで、愛想も冗談も何もない人だが、今回は違った。

 「あのね、こんなご時世だから、何回も大きな病院に来ないほうがいい。次回は3ヵ月後にしよう。薬は充分すぎるくらい出すから、欲しいものがあったら言ってごらん。風邪薬とか要る? 5月末までにどこか変になったら、すぐ来るのよ


 いつもと違う雰囲気に驚いたが、免疫抑制剤のメトトレキサートとゼルヤンツのほかに、副鼻腔炎の薬も3か月分もらって帰った(飲まないで大丈夫そう)。看護師さんが以前に、「あの先生は不愛想みたいだけど、ほんとはとっても患者思いなのよ」と言っていたのを思い出した。非常時には人柄が出るのかも・・・・・。虎の門病院のリウマチ膠原病内科医・乳原善文先生といいます。

 うちの庭にも春が来て、ヒヤシンスとラッパズイセンが咲いている。片隅のスノーフレークも満開だ。

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2020年3月 3日 (火)

つぼみ


 新型肺炎流行でほぼうちにいる毎日だ。定期的にプールに通っているが、これも休むほかなく、運動不足で寝つきが悪くなった。このあたりは公園だらけなので、散歩すればいいのだが、あいにくと花粉症なのである。

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 それでもマスクをして、買い物に出ることはある。道端には春の花のつぼみ。ボケは咲いている所もありそうだ。

 新型コロナウイルスは指先から感染していくことが多いそうなので、マスクをしていれば、目や口や鼻には触らないですむ。手袋もするが所作に不便で、仕方なく殺菌ウエットティッシュを、持ち歩くことにした。夫が趣味で集めた防災用品が、こんなところで役に立った。もともとは大地震用です。

 物流がおかしくなると、まず食料品や衛生用品が不足する。買い溜めに走る人を、上から目線で批判することはできないと思う。

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