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2018年2月16日 (金)

『美術の力』  宮下規久朗  光文社新書

 総カラーの美術をめぐるエッセー。帯にはこうある。

いったい、美術にはどれほどの力があるのだろうか。心に余裕がある平和な者には楽しく有意義なものであっても、この世に絶望した、終わった者にも何か作用することがあるのだろうか

 著者はそれを自分で試してみているようである。後書きに4年前に娘を病気で亡くし、何事にも興味がなくなったとある。その中で巡礼のように各地の絵を見て回り、これを書いた。絵を見るとはどういうことなのか、深く考えられる文章が続き、心に残るものだった。
 もともとカラバッジョの専門家として有名な人で、この本にもイタリア絵画の話が多いが、絵巻物や藤田嗣治の絵など、日本のものも含まれている。読んでいるうちに、今までの自分の偏った印象が直され、一層鮮やかになった個所が、いくつもあった。著者は、絵を見るというのはかなり知的な行為で、知識を持って鑑賞したほうが得るものが多いと断言している。絵の前でボンヤリ感心して眺めているだけなのは、もったいないのかもしれない。

 耳が悪くなって以来、目からの情報に頼ることが多くなった。テレビより本、映画館より美術館がいい。

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(日本画にも詳しい方で、とてもおもしろかったです。四国の金刀比羅宮が美術品の宝庫だなんて、知りませんでした)

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コメント

面白そうな本ですね。
 金比羅山には高橋由一美術館があり、書院には若冲や応挙の襖絵もあります。若冲は一般公開はしていなくて美術展に出品されたときに鑑賞しました。応挙・由一ともに見応えがあります。

関東から金比羅山は、とても遠いです。
でも行ってみたいと思いました。
足が悪いから、階段が無理かも。

ぜひお出かけください。麓から上までお籠があります。階段の最上部(真ん中あたり)まではタクシーという手もあります。私も昔は歩きで登り最近はタクシーにしました。

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