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2017年8月 4日 (金)

『中島敦全集』 全3巻  ちくま文庫

 奈良からの帰りの新幹線の中で、iPadの青空文庫で「李陵」を読んだ。すごく久しぶりで、最初は漢文調がきつかったがやがて慣れて、しみじみいいなと思った。それでネットで検索して、この文庫版の全集がうちにやってきたのである。モダンな印象のカバーの装画は土方久功。1942年、33歳で夭折した中島の、数少ない友人だった人である。

 中島敦は「山月記」などが長く教科書に載っていたせいか、古代中国を題材にした小説ばかりが有名だが、南海を舞台にした文章もかなりある。1940年に当時の南洋庁に就職したためだ。彼の代表作「光と風と夢」はR・.L.・スティーヴンソン(「宝島」で有名)の話である。またカフカをドイツ語で本格的に読んだ最初の人だともいわれている。

 中島の小説に漂っているのは、孤独に対する覚悟のようなものだ。それが時代を超えて感銘を与えるのだろう。幼いときに母が3回も替わったのが影響しているのだろうか? 漢学の一家に生まれたから、漢文調の硬い文章も多いが、明るいモダンな小品もたくさんあって、夏の間楽しめるだろうと期待している。

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コメント

女学校時代に中島敦から教えを受けたという友人(大正生まれ)がいました。
何度となく話を聞いたのでしたが、記憶の中に残っていません。
時を経て、中島敦の名前が出てくるごとに、想い出します。

昭和8年に横浜高等女学校の国語の先生になったようです。
お祖父さんが亀田鵬斎の門下で、一家には漢学の素養がありました。
いまだに読まれている作家で、ちょっと不思議に思うほどです。

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