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2017年4月 8日 (土)

『ぼくの東京全集』  小沢信男  ちくま文庫

 1927年に東京で生まれ、ずっと東京で暮らしてきた作家の、東京をめぐる文章を集めた文庫オリジナルである。内容は紀行・小説・エッセー・書評・俳句・詩などさまざま、60年以上にわたる作品群で、文庫編集者からの申し出で編まれた本らしく、作者は「東京の話もこれで最後だろう」と言っている。
 だいぶ以前に同じ作者の『東京骨灰紀行』を読み、紀行文の人なのかと思っていた。実際、最初に書いた散文の題は「新東京感傷散歩」で1952年、これを花田清輝に認められて文壇デビューしたらしい。しかしもともとは、現代詩人で俳句も作っていた。この「全集」には小沢氏の多面性がよく出ていて、どれもとてもいい。
 東京に住んでいても、東京に興味のない人は大勢いる。日本に住んでいても、日本に関心がない人だっている。それがあながち間違っているとは思わないが、クールでスマートな外見だけが好きで、愛国心を声高に主張するが、それを築き上げた歴史や文化には、何の関心も持たないというのは、やはりおかしいと思う。小沢さん、もう少し長生きして! もう一度、東京の土の下に眠る人々(神社に祀られるような偉い人でなく)の声を、伝えてください。

P1050773

あるじまた日永の散歩留守に候〉   小沢信男

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コメント

落第も二度目は慣れてカレーそば 小沢信男

小沢信男さん あらら聞いたことあるぞ
と思ったら 私の書いているメルマガで
上の俳句を引用させてもらいました

装飾する俳句歳時記 にも紹介されています

ちょっと気になる人であって
何か読みたいなと思っていたのです

大いに刺激を受けて
近々 図書館へ探しに行ってみたいです


ねこさん、お久しぶりです。「カレーそば」の句、いいですね。
小沢さんは今年90歳、洒脱な文章を書く人で、小沢實さんほど有名じゃないけど、私は好きです。
「東京骨灰紀行」も、とってもおもしろいですよ。

小沢さんの本は「俳句世がたり」を最近読みましたが、なかなかでした。調べてみたら図書館に「東京骨灰紀行」など何冊かあるようです。借りだして読んでみたいと思っています。

私は「俳句世がたり」はこれからです♪
「ぼくの東京全集」には、「東京骨灰紀行」との重複が2本あります。
ちくま文庫の編集者が作った本だから、しかたないですね。

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