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2017年2月12日 (日)

『考古学崩壊──前期旧石器捏造事件の深層』  竹岡俊樹 勉誠出版(2014)

 読むきっかけは、以前にこのブログで紹介した中公新書の『ヒト』(島泰三・著)だった。日本人がいつごろ列島に来たのか、そしてそれはどういう人だったのかを知るには、石器の解析が欠かせないことを、そこで知ったからである。そして2000年のあの捏造事件。この本の著者は、あの事件の告発者である。事件後13年たって、ようやく自分の知るところを書く決心をしたそうだ。

旧石器時代研究は困難であるが、人類の二五〇万年の歴史、私たち人間がどのように成立したのか、どのような存在であるか、を知ることができる唯一の学問である。学問自体は極めて有望、そして有用である。人生をかける価値は十分にある

〈(私の論点は、ホモ・エレクトスが作るものは彼らの生物学的特質によって規定され、ホモ・サピエンスの作るものとは異なる。(中略その観点から見ると、(捏造によって)日本で復元された原人の姿は、これまでの先史学・人類学が積み重ねてきた成果に反し、ホモ・エレクトスの概念からはるかに逸脱している

 捏造は認められ原人ブームは去ったが、事件の責任は曖昧なままで、現在の著者は、日本の学界では不遇だと聞く。今でもあの事件の影響は残り、石器時代の話がときに眉唾のように感じるのは、私だけではないだろう。学問としての旧石器研究はどうあるべきなのだろうか。著者も言うように、文系だけに収まるものではなさそうだ。

R0061265
(amazonのレビューにもありましたが、地の文と引用分とが見分けにくく、読みにくさにつながっています。著者の責任ではなく、編集・組版のせいでしょう。一読の価値があるおもしろい本だと思います)

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