最近のトラックバック

« 築地市場駅 | トップページ | 立春 »

2017年1月29日 (日)

『辺界の輝き』  五木寛之・沖浦和光  ちくま文庫

 最近の五木寛之は、歴史家・思想家の趣がある。この本も、海や山で旅に生きた人々の築いた生活と歴史を、仏教思想や差別民問題をからめながら、社会思想史家の沖浦和光と自由に語り合っていて、とてもおもしろかった。五木は北九州の山地の出身、沖浦は瀬戸内の海の出身だそうである。2人の子供のころの思い出を聞くだけでも、日本にもいろいろな社会があったのだとわかる。

 私は東京の市街地で育ったので、山も海もよく知らない。父方は山陰の医者や神主などの一族の出身だが、母方は海を思わせる苗字で、三重の門徒、祖父は僧侶だった。この本を読んで、母方の一族が海に関係があった可能性に、初めて気づいた。海の民には門徒が多いのだそうである。家系図では、男系ばかりたどろうとするから、わからなくなってしまうのだ。

五木 日本社会の差別構造の中で、ともするとわれわれは、単純に「差別する側」と「される側」と二つに考えている。けれども、実際は複雑な重層構造になっていて、差別の鎖というか、そういう絡みあいの中に、今も現実に生きている人たちがいる

R0061263
(五木氏には、引き揚げ者だったという思いが、とても強いのだと思います。この本の表紙の写真は瀬戸内海。中扉の次のページには、鞆の浦を歩く著者2人の写真があります)

« 築地市場駅 | トップページ | 立春 »

読書メモ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548051/64824155

この記事へのトラックバック一覧です: 『辺界の輝き』  五木寛之・沖浦和光  ちくま文庫:

« 築地市場駅 | トップページ | 立春 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ