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2016年12月

2016年12月30日 (金)

年末年始の2冊

 『新編 洛中生息』(杉本秀太郎・ちくま文庫)は何となく手にした本で、あまりきれいでない中古だったが、読み始めたら無類におもしろかった。杉本氏は2年ほど前に亡くなってしまったが、京都の「杉本家住宅」の当主だった人である。町屋の暮らしをユーモアたっぷりに、しかも滋味あふれる文章で書いた、エッセーの名品として名高いものだ。

近ごろ、私の季感は鵯によって明確にされる。この鳥に対する嫌悪を介して、私の季感が形を帯びるのである

 今から40年ほど前に書かれた文章。当時からすでに京都の町は荒廃していて、鵯(ヒヨドリ)のような卑しげな野鳥が、町屋の庭にまでやってきて、花や実を食い荒らすと、杉本氏は憤慨しているのである。鵯はうちにもよく来て騒ぐ鳥なので、おかしくて笑ってしまった。この一文は初冬を描いたもの。私はこうした地味で古めかしい文章が好きだ。この人のものをもう少し探して、読んでみようと思った。ちなみに本業はフランス文学者。

 もう一冊の『俳句と暮らす』(小川軽舟・中公新書)は新刊で、この著者は私の古文書解読の先生の、俳句の師匠である。帯に「平凡な日常が、かけがえのない記憶になる」とある。紹介されている下の一句は、阪神淡路大震災のときのもの。

寒暁や神の一撃もて明くる〉 和田悟朗

 平凡で穏やかな日々を過ごしたいものだ。

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(皆様、お元気で良い年をお迎えください。来年もどうかよろしく)

2016年12月26日 (月)

数へ日

 今年も今週いっぱいだ。ようやく足がよくなり、年末の買い物だの銀行だのに、行かれるようになった。足の不調は実に不便で、長引くと精神衛生にもよくない。
 今年は20年ぶりに奈良に行かれたのが、何よりもよかったと思う。あまりに久しぶりで勝手がわからず、マゴマゴすることも多かったが。

 宿のすぐ近くが東大寺だった。これはご存じ大仏殿。
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 中は撮影自由なようである。いつも観光客が大勢いるが、奈良に来てここに来ないのも味気ない。大仏様も撮れるが、かなり暗い場所である。
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 大仏様、来年もよろしく。

数へ日や母にはよきことのみ伝へ〉  こはる


2016年12月20日 (火)

病院を替わるということ

 18年も通院した病院のリウマチ科が閉鎖になる。ここはもとは福原病院というかなり有名なリウマチ専門の病院で、患者は全国から来ていた。2010年にいったん閉院となり、その後は地域の名をとった下北沢入院となり、リウマチ科は引き継がれた。そして6年がたち、今度は「足の病院」として生まれ変わるのだそうである。リウマチ科はなくなる。福原病院以来、50年以上の歴史があるのに。呆然とする患者は、私だけではないだろう。

 リウマチ科の医師たちは、別のところでクリニックを開設する予定と聞くが、元の病院にあった膨大なカルテは、法律上、元の病院に残る。科がなくなるのだから、おそらく死蔵されるだけだろう。患者としては、割り切れないというか、やりきれない思いが残る。

 いい機会だから、大学病院などに替わってしまうのも、いいのかもしれない。私も実は迷っている。今の先生は若いが長いつきあいで、先生の力も人柄も信頼しており、何より病気より病人を診るという姿勢が一環しているのが、私にはありがたかった。できれば替わりたくない・・・。
 外はもう、枯れ葉もわずかになってきた。厄介な年末になりそうだ。

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2016年12月14日 (水)

『ヒト──異端のサルの1億年』  島泰三 中公新書

 帯から引用する。

1億年前、インドとマダガスカルからなるレムリア大陸で霊長類は産声を上げた。中略)華奢な骨格と裸の皮膚、巨大脳をもつ、異端なサル=現代人は、いつ、どこで生まれたのか。そして日本人の祖先はどこからやってきて、どこに行こうとしているのか

 はるかなはるかな、長い物語の新書。著者は現代人も霊長類の一種と見なし、特別扱いしない。それがとても痛快でおもしろい。ホモ・サピエンスが、ネアンデルタールやホモ・エレクトゥスと同じ時期に、地球上にいたことがあって、彼らのほうが体も脳も大きく腕力もあり、ホモ・サピエンスが生き残ったのは、必ずしも優秀だったからではない──という著者の意見には、耳を傾けたほうがよさそうだ。
 著者の島泰三氏は1946年生まれ、「現代文明を信用しない」そうである。人類進化については異論が出そうだが、どこか地球を俯瞰するような、スケールを感じさせる本である。

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(各時代ごとの霊長類の食生活や社会構造が、紹介されています。最近うちの食卓では、「今日は野菜食だから先祖返りだね」などという話が出ます

2016年12月 9日 (金)

庭の日溜り

 わが家の庭は、猫も驚くほど狭い。そこに今、バラと水仙が咲いている。南を向いて、住人には背を向けて。南向きの庭の定めだ。
 バラは12月になってから、急に咲き始めた。フロリバンダの中輪で、いい香りがする。夏の間は、雑草が覆いかぶさって、成長できないような風情で、心配していた。今年は10月になっても蒸し暑い日が続き、それもよくないようだった。でもすっかり涼しくなった、いや寒くなったころから、小さなつぼみをつけ始め、今は毎日1輪、2輪と咲いている。

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 水仙は健康優良児だ。球根というものは、植えれば必ず咲く。この水仙は植えっぱなしの球根から咲いたようだが。

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(カメラはパナソニックのミラーレスのGM。レンズは30ミリマクロで、フィルム換算では60ミリマクロ。GMにはこれがいつもつけてあります)




2016年12月 3日 (土)

紅葉のフィナーレ

 ここ2週間ほど、足を痛めているので、近所の紅葉も満足に見られない。そろそろお終いになるというのに・・・。そこで数年前の今ごろ、昭和記念公園で撮影したものを、並べてみることにした。

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 カメラはオリンパスのデジタル一眼レフ、レンズはパナソニック・ライカの28~200ミリズーム。これは重いけどすばらしいレンズである。このセットは現在、タンスの棚に眠っているのだが、カートで運んで、わが光が丘公園を撮って回りたくなった。もうじき裸木の季節である。

裸木やどっと押し寄せてくる時間〉  柳橋句会のTさん

朴の葉のばさりと落ちて夫の留守〉  こはる













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