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2016年10月 3日 (月)

『鷗外の坂』  森まゆみ 中公文庫

 1996年に単行本が出たそうだから、ちょうど20年たっているわけだ。著者の森まゆみは今62歳くらい、彼女は40代に鷗外に取り組み、この鷗外伝を書いた。大きな対象に奮闘した著者の姿が伝わってきて、とても読み応えがある評伝になったと思う。
 鷗外の日常生活が出てきておもしろい。とくに夏の曝書は、一家総掛かりで行う楽しい行事だったそうである。また晩年までドイツ語の本を、よく読んでいたらしい。鷗外は2回、結婚したが、その間の10年ほどは母の勧めで、近くに妾を置いていたというのは知らなかった。母と再婚した妻とがうまくいかなかったのは、あまりにも有名な話である。
 鷗外は「微笑の人」というのが、この本のいわば結論である。よき父親で4人の子供をとてもかわいがった。再婚した妻も大事にした。暴力亭主だった夏目漱石とは、ずいぶん違うものである。
 ちなみに鷗外は、明治29(1896)年、一葉の棺に騎馬で従おうとして遺族に断られ(目立つから)、大正5(1916)年の漱石の葬式には列席している。亡くなったのは大正11(1922)年の7月、61歳だった。

P1050718
(鷗外は19歳で、今の東大医学部を卒業〈入学ではない〉して、軍医になり後に栄達を極めました。いつも多忙で、生き急いだ人生だったように見えます。団子坂上にあった眺望のいい家は、今は森鷗外記念館です)

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コメント

団子坂って現存するのですね。
今はどんな風情なのでしょう。

明治のころより幅が広くなり、車がたくさん通るそうです。
もちろん、海なんか見えません。風情なし。

明治時代は秋の菊人形で有名で、一葉姉妹もよく見に行っていたようです。

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