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2016年9月 1日 (木)

『和本のすすめ──江戸を読み解くために』  中野三敏 岩波新書

 私にはわりに難しい本で、以前に一度読み始めたが中断、今回は1週間ほどかかって読了した。中味が濃いのである。筆者は和本とはどんなものなのか、その内容から外見まで、遺漏なく書こうと意気込まれた様子が、読んでいて切々と伝わってくる。文章がとてもいいので、読み進むにつれて興味をそそられ、得るところが多かった。
 和本を読むにはくずし字、つまり変体仮名と草書体漢字を知らなければならない。ところが戦後教育を受けた私には、ほとんど読めない。現在の教育でも、英語ばかり熱心で、国語の時間はむしろ減っているらしい。古典・漢文が必修ではなく、選択科目になっている高校もあると聞く。政府は愛国心教育とやらをしたいらしいが、字も読めないで昔の何を教育しようというのだろうか?
 
P1050705
 
 一葉の作品は明治20年代の終わりに、活字で発表された。これはその初出の姿をまとめた本。小説も日記も、一葉の死後、活字になって世に出た。そうでなければ、私なんぞ全然読めなかったわけである(この本は「初出で読む近代文学」というシリーズの1冊で、今から30年ほど前に出た)
P1050704
(私の母方の祖母は、ずっと謡を教えていました。1900年に京都・岡崎に生まれた人です。祖母が生きていたら、くずし字に悩む孫を見て、「あ~ら、そんなのが読めないの? オホホホ」と笑ったに違いないと思います)

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コメント

英語教育が熱心???
そんなに勉強しているのに、日本人の英語下手には定評があります。

ヨーロッパではラテン語ができると高学歴というステータスがあったけれど、
今や、一般的にラテン語を学ぶ人口は減っている
ということを須賀敦子から(40年前に)聞いたことがあります。

「美しい日本」という前に、この本を読むことを薦めたいものですね。

elmaさん、コメントありがとうございます。
くずし字は、欧米のラテン語よりは、ずっと身近だったのではないでしょうか。
寺子屋でも読み書きしていましたから。

今は優秀な受験生ほど、国語に興味がないそうです。
今に富裕層は、英語で授業する大学に進むのが、ふつうになるのかも。

「英語ができると、世界に友達ができる」「国語古文ができると、自分のルーツがわかる」
ある予備校の先生の言葉。ちょっといいですよね。

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