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2015年11月29日 (日)

『いつまでも若いと思うなよ』  橋本治 新潮新書

 たしかに年寄りは美しくないんだろう。82歳で亡くなった祖母が、よく「老醜」を嘆いていた。30代だった私は、何と言っていいかわからなかったが、目の前の祖母を醜いと思わなかったのはたしかである。最近は団塊の世代でいい年の人が、「嫌老」意識を隠そうともしない。老いを正面から見つめられないのだ。現代の老後はおそろしく長いというのに・・・。
 これは団塊の作家・橋本治の「老人論」。橋本節全開で笑うほどおもしろい。
 
〈「年を取る」ということと、「自分の老いに潰される」ということは違うことで、年を取る内にいつかは「自分の老いに潰される」ということも訪れましょうが、そうなっても困らないように、早い内から「自分は年寄りである」と思い込む癖をつけておいた方がいいと思います〉

アベノミクスの危うさは、やっぱり「時代そのものが老いてしまっていることへの備え」が欠けていることなんじゃないかと、私なんかは思いますね〉

〈本当なら私は、どうして「年を取る必要のない文化」が日本に定着し、アンチエイジングが大はやりになってしまったのかということを考えるべきなのかもしれませんが、今の私の関心事は自分は年を取った」ということを確定させることにしかないので、「年を取るのはやだ」と言っている人のことなんか、どうでもいいのです

 橋本氏は数年前、血管炎という免疫系の難病を患い、一時は歩くのもたいへんだったそうである。街の鏡に映る自分のヨロヨロ歩く姿を見て、「いくらなんでも、ちょっと早いんじゃないの?」と思ったのが60代前半。でも上記のように考えたのは、もっとずっと若いころからのようで、いわば筋金入り、負け惜しみで書いた老人論でないのは、読んでいるうちにわかります。

P1050465
(「動けなくなったら、すぐ死にたい」とか「ピンピンコロリがいい」というのは、ファシズムです。みっともなさに愛と関心を。老いの問題は障害者問題と同じなのではないでしょうか)

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