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2015年5月 2日 (土)

下北沢の古本屋で──江藤淳

 下北沢の病院の帰り道、いつもはすぐに駅に向かうのだが、何となく古本屋に寄った。入口付近の文庫本のコーナーに、江藤淳を数冊見つけ、どれも200円くらいだったので買うことにした。本屋のカウンターにいた女性は、うれしそうな笑顔を見せ、丁寧に包んでくれた。たぶん売れ筋ではないんだろう。
 『成熟と喪失』以来、大学時代から江藤淳を読む機会はあった。しかし後期のものは、政治的なイメージもあって、敬遠していたと思う。今、このシミだらけの文庫本を並べてみると、隔世の感がある。これからゆっくり読もう。
 『一族再会』にいちばん惹かれる。amazonのレビューには、こうあった。

〈「妻と私」と並ぶ、江藤淳の最高傑作の一つだと思う。そこには、澄ました批評では感じることの出来ない、生身の人間の魂の叫びがある。それが、あの明快で真摯な文体で表現されている。それが深い感動を呼び覚ます。
この本の内容を端的に説明すると、筆者が家系を遡って、先人が何をし、何を残したのか、といったことを、現在の筆者との関係において描写したものである。要するに、歴史の流れの中で自己を捉えること、換言すると、いまここで自分が生きることの必然性を見出す作業が行われている。(
アメリカンショートヘア  投稿日 2004/6/20)〉

 江藤淳の文章は、読む人の心に直接するりと滑り込むような、強い魅力がある。そしていつも明快で達意だ。
 保守派だった江藤。今は彼の思ったような世の中なのだろうか? いや、全く違うのではないかという気がしてならない。

P1020752
(アメリカンショートヘアさん、断りもなしに引用させていただきました。どうかご容赦を)

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