最近のトラックバック

« 枝垂れ桜と雪柳 | トップページ | 池上本門寺 »

2015年3月27日 (金)

『樋口一葉日記の世界』  白崎昭一郎 鳥影社

 2005年の刊行。以前からうちにあったのだが、今ごろになって読んでみた。思いの外(失礼ながら)おもしろかった。著者の本業はお医者さん、しかもサナトリウムに勤務されていたこともあるようだから、結核医なのだと思う。一葉研究の盲点として、結核があると著者は言う。おそらく兄の泉太郎から感染した病で、明治25年ごろには発症しているのではないかと言うのだ。一葉の日記に途切れている部分が多いのも、散逸や破棄というよりは、病気の症状が出たせいなのではないかとも言う。結核というのは一気に悪くなるものではなく、何年もかかってだんだんに衰弱していくものだと、専門の医師らしい意見である。一葉自身は明治27年後半、竜泉寺町時代には病の自覚がかなりあったようだ。彼女の独身主義や厭世観は、結核の進行の影響があったのかもしれない。
 原文を丹念に紹介して、明治の若者群像を生き生きと再現しているのが、とてもよかった。特に最後の年の齋藤緑雨とのやりとりは、「奕々たる生彩を放っている」というのには、心から賛成する。原典は2002年に岩波書店から出た影印本、著者はその肉筆の筆遣いから、一葉の体調や気分を読み解いている。

Dscn0277
(全集の一葉日記を読んでいたら、すっかり混乱してしまいました。「日記」とされているものはまだいいのですが、「雑記・断簡」になると前後の脈略がわからなくなり、年代さえつかめないのです。要するに私が、日記も雑記断簡類を、よく読めていないということで・・・)

« 枝垂れ桜と雪柳 | トップページ | 池上本門寺 »

一葉さん」カテゴリの記事

読書メモ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548051/61345171

この記事へのトラックバック一覧です: 『樋口一葉日記の世界』  白崎昭一郎 鳥影社:

« 枝垂れ桜と雪柳 | トップページ | 池上本門寺 »

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ