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2014年5月15日 (木)

『恋歌』  朝井まかて 講談社

 樋口一葉の和歌の師匠として知られている中島歌子の生涯を描いた力作で、直木賞を受賞している。
 一葉への関心から読んだ。でも一葉は三宅花圃の追憶の場面で少し出てくるだけで、和歌のこともあまり詳しく出てこない。全編を覆うのは、幕末維新の水戸を翻弄した天狗党事件である。歌子の結婚した相手が、この天狗党の志士だったのだ。
 天狗党の事件については、吉村昭の「天狗争乱」や、山田風太郎の「魔群の通過―天狗党叙事詩」が有名で、天狗党の若者たちの悲壮で悲惨な境涯が、詳しく描かれている。どちらも志士本人=男性の立場からなのに比べ、この『恋歌』は天狗党志士の母親や妻子が中心だ。
 事件を生き延びた中島歌子は、明治10年に萩の舎を開く。一葉は明治5年の生まれ。「明治生まれのひよっこに、何がわかる」と嘯く歌子の言葉は、もう少し考えられてもいいことなのかもしれない。

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