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2013年12月22日 (日)

『なつ──樋口一葉 奇跡の日々』 領家髙子 平凡社   2013.04刊

 実はまだ読みかけで、全450ページの半分ほどが残っている。一葉の評伝のようなものは、もともとかなり多く出ているが、これは明治27年5月、下谷竜泉寺町から本郷丸山福山町に引っ越してから、29年11月、そこで24歳で亡くなるまでの日々を、日記・書簡・断片を丹念に読み込み引用しながら、豊かな想像力で描いた力作。
 前半でおもしろかったのが、中井桃水についての詳述。朝鮮に詳しい新聞記者として活躍し、新聞小説を何回も連載していたことを、27年8月からの日清戦争のいきさつと絡めて描いている。現在、桃水は文学的には無名に近いが、当時の社会人として、スケールとバランス感覚に優れた人だったに違いない。一葉は周囲の男性に恵まれていたと言えるかもしれない。「文学界」関係の若者たちは、よく丸山福山町の一葉の家に出入りした。萩の舎の先輩女性には、「(一葉は)まるで下宿屋の女主人のようでした」と言われたくらいに。だが桃水や馬場孤蝶、齋藤緑雨などは、一葉の死後、無意味なうわさ話を一切、口にしていない。
 この本には、一葉が孤蝶と淡いながらも、恋愛関係にあったとしているようである。どうなのかなあ。物足りなくなかったのかしら? 後半を急いで読んでみなくては・・・。

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(表紙の絵は鏑木清方の「たけくらべの美登利」。一葉が西鶴はもちろん、ドストエフスキーの『罪と罰』を戸川残花から借りて読んだことなども出てきます

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