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2012年10月 6日 (土)

『河原ノ者・非人・秀吉』 服部英雄 山川出版社 2012.04

 帯に「あらゆる史料を熟読し、秀頼は秀吉の実の子ではないことを立証した」とあるものだから、つい後半の「豊臣秀吉」から読んでしまったが、やはり最初から読むべきだった。著者は長年、文化財保護行政に携わり、現地から民衆の歴史を考えてきた学者で、この本も京都・奈良・鎌倉・大宰府などに残る河原ノ者や非人にまつわる史料を、丹念に紹介・解説する中世史である。その最後に登場するのが秀吉なのだ。
 犬追物が具体的にどう開催されていたのか、初めて知った。八坂・祇園と延暦寺、奈良坂や清水坂と東大寺・興福寺の関係が、詳しく書かれているのも興味深かった。実態を知らせることで、差別のない社会の実現に寄与したいという著者の熱意は、全編に溢れている。

彼ら賤視された大衆について、社会から疎外された集団とみる見解がある。しかし先の非人陳状のように六波羅や院までが、彼らの動向に影響を受けていた。(中略)彼らの業務は市中の人々にも必要とされた。権門社会に取り込まれ、その重要な一部、「座」を構成していた

 日本史には全然詳しくないのだが、たいへんな量の史料が紹介されている。新しい知見もたくさんあるに違いない。専門書に近いが読みやすく、ときに挟まれる現代の話は、足元を照らしてくれるような気がした。

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(奈良坂の般若寺に行きたいです。今ごろはコスモスが、たくさん咲いていることでしょう)

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コメント

面白そうですね、読みたいリストに入れときます。

とてもうれしいです。
こういう本の話には、ほとんどアクセスがないので・・・。
ちょっとした感想くらいしか書けないのですが。

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