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2012年8月

2012年8月31日 (金)

『中村屋のボース』 中島岳志 白水Uブックス

 単行本は2005年の刊行、その時から気になっていたが、今回新書になったのを機会に入手。学生時代に相馬黒光(中村屋サロン女主人)の「黙移」などを読んでいたので、ひどく懐かしい気持ちになったのと同時に、自分の知識が文芸に偏っていたのを痛感した。ボースの評伝のかたちを取りながら、第一次大戦から太平洋戦争末期までの日本の政治情勢がよくわかる。すべて西暦表記なのが、わかりにくいという批判がネット上にあったが、私はこのほうがいいと思う。ひとりでに世界史の中で考えようとするから。
 ボースは日本国籍を取り、終戦直前に日本で亡くなった。息子は日本軍の一員として、沖縄で戦死している。ボースはインド独立を願いながら日本の生活になじみ、軍部の大東亜共栄圏思想にも、批判する力を持ちながらも協力した。その姿は私の母一家の戦前の生活を想像させる。母の父(私の祖父)は蒋介石と親しく大陸で大きな商売をしていたし、兄(同伯父)の一人は海軍将校だった。戦後67年、祖父はとうに亡くなり、母や伯父たちも90歳を超えて彼岸に渡るのが近い。あの戦争とは何だったのだろうか? 私はこだわりを捨てられないままでいる。

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(私自身は戦後生まれです。中村屋のインド・カリー、涼しくなったら食べに行きたい!)

2012年8月30日 (木)

『三四郎はそれから門を出た』 三浦しをん ポプラ文庫

30代の作家のブックガイド兼エッセー。題はもちろん漱石から来ている。以前に読んだ『舟を編む』がよかったので、手に取った。これもいい。この残暑厳しい中、元気が出る。

私は読書を通してお役立ち知識を仕入れたいわけではなく、励ましを期待したためしはなく、癒されたくもなく、自己を肯定してもらいたくもないんじゃ! だいたいそんな甘えた精神で本を読んで、はたして楽しいのか?

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2012年8月22日 (水)

カエル像

 猛暑の中、やむをえず出かける。よそのお宅の庭に、こんなカエルの像が。身長70センチくらいの金属板製。赤い目が迫力です。

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(塀のすぐ脇にあり、郵便受けではないようです。Ricohのコンデジ使用)

2012年8月17日 (金)

『新版 トンボ玉』 由水常雄 平凡社

 日本語で書かれたトンボ玉の基本書とも言えるもので、美しい図録がたくさん収められている。ずっと写真だけ眺めていたが、今回ちょっと読んでみたら、なかなかおもしろかった。アンティークなトンボ玉は世界中から出るが、何といってもヴェネツィアとオランダ製のものが多く、新しいものはインド製が多いのだそうである。新旧の見分け方なども出ていて、コレクターには役に立つのだろう。トンボ玉は19世紀まで、ヨーロッパとアフリカとの交易に使われ、黄金から奴隷にいたるまで、さまざまなものと交換された。コレクターでもある人類学者の川田順造さんは、『アフリカの心とかたち』で次のように書いている。

とにかく玉というものには、それを手にした人の心を、前後の見境なくとりこにしてしまう不思議な魅力があり、だからこそこんなにも世界中に散らばったのであろう。中略この小さな玉たちが沈黙をやぶって、口々に数奇な旅の物語をしてくれる日は、どうしても来ないものだろうか

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2012年8月15日 (水)

ひまわり

 母のところへ行くときに乗るバスの停留所で。まあ、元気なことです。

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(携帯です。画質がイマイチなのは、ご容赦を。帰り道でツクツクホウシが鳴くのを、この夏初めて聞きました)

2012年8月13日 (月)

『グローバリゼーションの中の江戸』 田中優子 岩波ジュニア新書

 最近の田中さんは染織関係の本が多い。このジュニア向きの新書も、江戸時代のファッションから話は始まる。「鎖国」というイメージがいまだに強いにもかかわらず、徳川幕府はそのたくみな外交で、アジアの一国として国際社会に生きていたことを、この本は楽しく教えてくれる。オランダ東インド会社が、アジアの20カ所に拠点を持ち、全従業員は1753年時点で約2万5000人、もっとも大きな会社はバタヴィアの5000人、小さいのは長崎で11人だったなんて、この本で初めて知りました。

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2012年8月11日 (土)

朝顔

 母のいる施設のそばで。携帯電話のカメラで撮った。午後になっていたが、曇っていたせいか、まだきれいに咲いている。「朝顔」は秋の季語だそうだ。

朝顔や思ひ出話交はしけり こはる

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2012年8月 6日 (月)

立秋──隣家の花

 わが家は練馬にあり、この時期は晴れれば必ずといっていいほど、35度を超える。今日は立秋。朝から雨で、最高気温は30度ほどだった。お隣の花が涼しげに咲いている。

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歳のせいもあるのでしょうが、35度にもなると、どこにも出かけられず、何もできません。夏って、こんなに我慢するだけの季節だったかなあ。もっと楽しかったような・・・。あと1ヶ月の辛抱でしょうか

2012年8月 2日 (木)

『特捜部Q──檻の中の女』 J・エーズラ・オールセン 吉田奈保子・訳 早川書房

 久しぶりのポケミスで、今評判の北欧ミステリーを読んだ。とにかく暑いもので・・・。デンマークの警察ものシリーズの第1作で、未解決事件を専門とする部署の責任者カール・マークが主人公、ベテランだが短気で起こりっぽく、体のいい左遷らしいという設定。助手がシリア出身のアサドというのがおかしい。この助手のユニークさが、ストーリーに厚みを加えている。かなりの長編だが、翻訳がいいせいか読みやすく、ユーモアもあって楽しめる。

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(北欧の警察ミステリーといえば、スウェーデンの「マルティン・ベック」シリーズが懐かしいです。年代がわかりますよね)

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