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2012年1月11日 (水)

『コンニャク屋漂流記』  星野博美 文藝春秋

 著者の星野さんは若い頃、中国を旅して『謝謝! チャイニーズ』や『愚か者中国をゆく』などを書いた。なかでも香港の中国返還を密着取材した『転がる香港に苔は生えない』は、読まないと損と言いたいほどである。その星野さんが、自分のルーツを探る旅に出た。コンニャク屋とは、星野さんの祖父の実家の屋号、千葉外房の漁師だった。先祖は紀伊からやって来たという、言い伝えがあるそうだ。それを確かめたくて、「漂流」するドキュメンタリーである。
 屋号で呼び交わす世界が、まだまだあるのを新鮮に感じた。そして農民とは違う漁民というのが、確かに存在していることも。この本にも出てくるが、イージス艦あたごと清徳丸の海難事件(2008年)の報道で見た、清徳丸の所属する港の漁師たちの結束は、半端でなかったような気がする。
 著者は自分の中に「漁民」の血を感じると言う。しかし漁民は、昨今の新資本主義とやらとは、なじみが悪いらしい。東北の海岸を壊滅に追いやった今度の震災は、少なくなった漁民をいっそう窮地に追いやっているのではなかろうか。本当の復興とは、いったい何なんだろう。

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(著者は品川区の町工場で育ったそうです。この本にも五反田・大崎について、たくさん出てきて、とても懐かしく思いました。私は目黒区の品川寄り育ち、サラリーマン家庭でしたが、家の前には小さな町工場があったのです)

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