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2011年1月23日 (日)

『機嫌のいい犬』  川上弘美 集英社

 帯に「第一句集」とある。川上弘美の小説を、全く読んだことがない。買ったのもこの本が初めてである。題は〈徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう〉から取られているらしい。
巻末の「俳句を、つくってみませんか。」がおもしろかった。俳句なんて古くさい、昔のものでしょ、蛙とか枯野とか、という感覚は、まさに私のものだったから。それが「いろいろあり」なことを実感してのめりこみ、俳句ばかり作っていた一時期さえあったそうである。
川上弘美は理系の教育を受けた人だが、その柔らかで繊細な日本語で、一瞬をふわりと見事にとらえる感覚はすばらしい。
 今ごろの句をいくつか。

〈情念のうすくうすく氷よ張れ〉
〈初夢に小さき人を踏んでしまふ〉
〈大寒の氷は海にかへりたし〉
〈紙うすく水に溶けたる寒さかな〉
〈膝たてて膝の匂ひや冬深む〉
〈きみみかんむいてくれしよすぢまでも〉
〈春隣荷札の上に荷札貼る〉

 
 俳句は好き。自分の主観とその場(座)にいる人たちの印象が、微妙に違うことがよくあって、それも俳句の大きな魅力なのだと私は思っている。

P1010961

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コメント

川上弘美さんの作品は好きです。
。『先生のかばん』以来のファンです。
俳句も好きです。俳句が根っこにあるのかなとも思えます。

彼女の小説の活字がほかの作者と違ってちょっとふっくらしている
という感じなのですが、どうんでしょう?

折金さん、展示会でお忙しい中、ありがとうございます。川上弘美の俳句、とっても気に入っています。小説も文庫で買ってみたのですが、俳句のほうが好き。こんな句もありましたよ。
〈十四ポ岩田明朝冴え返る〉
〈コムデギヤルソン着て文選工冬ざるる〉

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