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2011年1月 5日 (水)

『空白の五マイル』 角幡唯介 集英社

 2010年の開高健ノンフィクション賞受賞作。子供のころから旅行記が好きで、学校の図書室にあった筑摩の黄色いノンフィクション全集を、借り出しては読んでいた。グーグルアースで誰でもどこでも空から眺められるようになった今、辺境探検とはどんなものになったのだろうかと、つい好奇心に駆られてしまう。
 チベット高原を東から西に流れているヤールー・ツアンポー川が、ヒマラヤ山脈東端で大きく南に湾曲するあたりは世界一険しい渓谷で、最後の秘境と呼ばれ、誰が最初に踏破するか、探検界では注目の的だったらしい。

少なくとも私にとってツアンポー峡谷は命の危険を冒すだけの魅力がある場所だった。多くの探検家が挑戦して行けなかった場所なのだ。(中略)私はツアンポー峡谷の探検史というパズルに残された最後の一ピースを、自分ではめ込もうと決めたのだ。それをやり残したまま新しい人生に踏み出すことなど、自分の中ではあり得なかった。〉

 著者は学生のころから何回もここを訪れ、その概要を掴むまでになっていた。ところが最後の完全踏破を試みようとした矢先の2008年、ラサで暴動が起こり、この地域への外国人の立ち入りが不可能になってしまう。決めたのは許可証なしの単独行だった。時季は冬。

極論をいえば、死ぬような思いをしなかった冒険は面白くないし、死ぬかもしれないと思わない冒険に意味はない。〉

 それはそうかもしれないけど・・・。中国政府の許可証がなく単独行だったことが、事態を思わぬ方向に導き、まさに「現代の探検記」にふさわしい内容にした。著者の直截ながら韜晦を帯びた文章は、なかなか魅力的。

P1010513
(Pomera使用。とっても便利ですが、文がうまくなるわけではないです・・・)

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コメント

おめでとうございます。
新年が始まったばかりの穏やかなこの4日間
これから始まる忙しき日々の前に、懐かしき本などひもとき、ゆったりと過ごすのは
至福の時ですね。今年もどうぞよろしく・・・・

新年早々、ご訪問ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。また来てくださいね。

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