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2010年4月25日 (日)

『思い出袋』 鶴見俊輔 岩波新書

 1月末に怪我をした膝が、まだ全快しなくて、グズグズしている。ときどき、もう以前のようには歩けないのではないかと、思うことさえある。遠出できないので、文庫や新書をやたらに読むことになる。
 鶴見俊輔87歳。「図書」に7年連載していた短いエッセーが、1冊の新書になった。実家の親と同じ世代なので、気になって読んだ。

〈昨日までできたことが、ひとつひとつできなくなる。その向こうに、「ある」という感覚が、待っている。
 今、これを断念するということを、わびしいと感じない。人はそれぞれ、たくさんのことをしてきた。その中のひとつ、ひとつ、だから。玄冬の向こうに、よみがえりの春が来るのを信じることなく、しかし、「ある」ことが、自分を終わりまで、ここで終わりと気づくことなく、支えるだろうと期待している。〉

 鶴見俊輔というと、べ平連のイメージ。でも哲学者でした。長生きしてほしい。うちの親ももちろんです。

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追記
 鶴見俊輔は15~19歳の間、アメリカの大学で過ごした。その後、軍属としてジャワに渡る。戦争中、彼は内面の言葉が英語だったため、それを周囲に見破られないかと、いつも緊張していたそうだ。仕事は敵側短波放送を聞いて、それをひとりで新聞に作ること。戦中の体験が、彼のその後のすべてに、決定的な影響を与えたのだなあと、つくづく思う。

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コメント

彼はいつも自分の生活の目線から考え
ものを言ってますね。だからとても
信用できるし、支えにもなっています。
こんなとき、鶴見さんならなんと言ってく
れるのかな、なんて考えます。

お母さんとの確執は相当なものがあったらしい
ですね。母から独立するということがまず
彼のテーマでもあったらしいです。
もうそんなお年になっているんですね。
ほんとに元気でいてほしいですね。これからも
時代について、身近な現象について
どう考えているのか、もっともっと聞きたいです。

こうしたものの感想はうまく書けません。読んでくださって、ありがとうございます。高齢になった鶴見俊輔氏の、知人・友人の多くに先立たれた悲しみも伝わってきて、涙が出そうになりました。従弟の鶴見良行氏のことも出てきます。アジアに興味があるので(当たり前か?)、良行氏の本も読んでみるつもりです。

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