最近のトラックバック

books

  • 前田耕作: 『玄奘三蔵、シルクロードを行く』 

ウェブページ

『クレイジー・イン・ジャパン』 中村かれん著/石原孝二・河野哲也監訳 医学書院 2014年刊

 副題は「べてるの家のエスノグラフィー」。著者は日本人の両親の下で生まれたが、インドネシア、オーストラリアなどで成長し、今はアメリカのエール大学で教える映像人類学者である。研究対象として日本の精神医療福祉を選び、精神障害について深く考えたことがない人に向けて、この本は書かれた(原文は英語で2013年刊)。私がこの本を手にしたのは、べてるの家の外部の人が、多少なりとも客観的に書いたものではないかと期待したからである。だいたい期待どおりだった。
 今の日本の精神科治療の問題が、専門用語を使わずに、自分の言葉ではっきりと書かれている。

もしあなたが日本で深刻な精神病たとえば統合失調症で入院したとすると、そこからいくつかのことが予想される。中略)あなたはおそらく私立病院に入院していて、入院期間は長く、多剤大量の薬を処方され、トークセラピーや自立向けの地域型精神保健ケアに頼ることはできないだろう

 その通りなのである。べてるの家のユニークさは、患者たちによる「三度の飯よりミーティング」という方針と、地域産業に参加し、利益を出していることにある。一方ふつうの共同作業所では、妄想を口にできず黙って単純作業をして、時給200円程度をもらうだけ、そこから患者が自力で脱出するのは不可能に近い。ノウハウが全くない。

 べてるの家は1984年の設立以来の歴史があり、著者がいたのは2000年以降の7年だけだ。それでも最近のべてるの変容も、ちゃんと書かれている。「べてるはふつうの共同作業所に近づいてきてしまった」「ふつうの共同作業所が、べてる化しつつある
 なるほど、ネットで検索してみると、新しい感じの精神保健施設が、次々生まれているように見える。私が会った限りでも、意欲を持って福祉で働く若者は多い。いちばん遅れているのは医学会と、世間の常識なのではないだろうか。

Img_0298
(DVDがついています。映像人類学者だから)

 

2019年9月 7日 (土)

重陽

 9月の句会の兼題で、陰暦の9月9日の節句をいう。菊の節句とか菊祭りとも。古来、...

» 続きを読む

2019年8月28日 (水)

ステロイド

 リウマチになってからそろそろ20年。去年の今ごろ、ゼルヤンツという薬を飲むよう...

» 続きを読む

2019年8月21日 (水)

サワギキョウ

 毎年この8月の末からしばらくは、どうも元気が出ない。8月半ばくらいまでは、暑く...

» 続きを読む

2019年8月11日 (日)

「チェンジング・ブルー」大河内直彦 岩波現代文庫

 副題は「気候変動の謎に迫る」。理系の本で文章はきわめてわかりやすいが、酸素の同...

» 続きを読む

2019年8月 7日 (水)

明日は立秋

 明日は立秋。でもここ練馬は、先週の梅雨明け以来ずっと猛暑である。  近くの公...

» 続きを読む

2019年7月31日 (水)

体重とリウマチ

 ときどきプールに行っている。泳いでも1時間で700メートルくらいだから、たいし...

» 続きを読む

2019年7月30日 (火)

梅雨明け

 東京は昨日、梅雨が明けて、練馬はその日から猛暑になった。歯医者さんの予約がある...

» 続きを読む

2019年7月25日 (木)

『子どもたちの階級闘争』   ブレイディみかこ  みすず書房

 副題は「ブロークン・ブリテンの無料託児所から」。新潮ドキュメント賞を受賞した評...

» 続きを読む

2019年7月21日 (日)

田園調布駅

 高校の集まりがあって、母校のある田園調布まで行ってきた。私立の女子校で同総会の...

» 続きを読む

«『神戸・続神戸』  西東三鬼  新潮文庫

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ