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2018年9月20日 (木)

曼殊沙華

 すっかり秋になって曼殊沙華が咲いている。先ほど団地の隅に毎年咲くところを見に行ったら、すでに盛りは過ぎた様子だった。そんなわけでこれは少し以前に撮ったものです。

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 どことなく禍々しい感じのする花で、死人花の異名もあるらしい。秋の彼岸のころに咲くし、墓地に多かったのだろう。でも金子兜太に有名な句があって、私はこれが好きだ。

曼殊沙華どれも腹出し秩父の子〉   金子兜太

 故郷を想うと、句は明るく大きくなるらしい。

曼殊沙華もろ手をあげて故郷なり〉   鈴木真砂女

 このところ、母の遺品整理に忙しい。自分の物も片付けないと、母の遺品を受け入れるスペースが出ないため、そっちでも忙しい。

何もかも捨ててしまへと曼殊沙華〉   こはる





2018年9月 8日 (土)

ヴァランダー・シリーズと夏

 洗濯ものを干しながら空を見上げたら、とても青かった。まだ蒸し暑いけれど、空には秋が来ているのだ。

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 この夏はあまりに暑さが酷くて、必要以外出かけない日が多かった。母の見舞いにも行かなくなった。手持無沙汰の時間が過ぎていく。家の中でできる楽しみは、たまのテレビと読書だけである。
 ずっとスウェーデンの推理小説、ヴァランダー・シリーズを読んでいた。本国ではもちろん、世界的なベストセラーとして有名である。9巻で15冊。翻訳はすべて柳澤由美子。彼女が2015年に出た『霜の降りる前に』の訳者後書きで、こう書いている。

〈(2001年に日本で、これから訳す原本を手にして、もしかするとスウェーデンの田舎町のさえない中年刑事を主人公にしたこのシリーズが、日本の渋い時代小説の愛読者たち、例えば藤沢周平を読む中年男性たちに好まれるかもしれないという淡い期待を抱いた

 期待は報われて、どれも版を重ねている。私は遅れてきた読者で、老年女性だけれど・・・。どれも品のある文章、丁寧な筋運び、論理的な構成で、猛暑の中、飽きることなく読み続けた。あと1冊だけ翻訳されていないものがあるそうだが、著者のヘニング・マンケルは残念ながら2015年に67歳で亡くなっている。続きはもうないのだ。

 秋が来てこんなにうれしかった年はない。

息災を讃え合ふ声八月尽〉   こはる

2018年8月31日 (金)

ゼルヤンツとリウマチの話

 3月末にステロイドを急に辞めてから、朝の強張りが復活した。急に辞めたのは医者の指示で、たぶん私が元気そうに見えたからなのだろう。ステロイドの代わりにシムジアの注射となり、これだけで痛みが治まると、先生は考えたらしい。どころが甘かった。20年も飲んでいたステロイドを急に辞めれば、リウマチは必ず再燃するのである。仕方なく6月からステロイドを少し復活、それでも痛みや強張りはよくならない。それでシムジアを中止、ゼルヤンツという飲み薬に代わって、3週間ほどになる。ゼルヤンツは新しい薬で日本製らしい。

 いろいろな薬をとっかえひっかえ飲むのは、とても不安なものである。総量が増えないだけいいのかしらね。朝の痛みがだんだん減ってきて、ステロイド復活でむくんでいた指も細くなった。体が軽くどこも痛くない生活は、久しぶりである。

 ステロイドの減らし方にはコツがあるのだそうである。「リウマチに気がつかれないように」、時間をかけてこっそり、ほんのちょっとずつ、減らすのだそうだ。

八月の尽きて手足を長々と〉  こはる

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(ときどきリウマチの方が読んでくださっているようです。それで情報になるならと、書いてみることにしました)

2018年8月26日 (日)

ヘクソカズラ

 灸花=ヤイトバナともいうが、屁糞葛=ヘクソカズラが本名らしい。庭隅に咲いていて、よくみるとかわいいのである。臭いはともかく。

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花あげてへくそかづらはかなしき名〉   国松ゆたか

八十の乙女しくしく灸花〉   鳴門奈菜

へくそかづらはわが放浪のそぞろ神〉   吉田渭城

俳句には難しいみたい・・・。


2018年8月17日 (金)

百日紅

 8月も半ばを過ぎ、今朝は涼しかった。久しぶりに窓を大きく開けたら、百日紅が咲いているのが目に入った。

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 15日は敗戦忌。6月に94歳で亡くなった母は、最後の2年ほどは認知症が進み、あまりしゃべらなくなった。そしてしまいには取りつかれたように、戦争の思い出しか語らなくなった。辛かった思い出より、楽しそうに語ることが多く、戦下の暮らしの一体感が青春の思い出のすべてだったようだった。
 認知症の人の話は、批判したりせず、受け入れたほうがいいとよく言われる。でも「勤労奉仕に、一緒に行ったわよね」と話しかけられたときは、さすがにそうはできなかった。「行かないよ! 私は戦後生まれだもの!」と、大きな声を出してしまった。
 
 ネットの記事によると、「米の戦略爆撃調査団の世論調査によると勝つと思っていたのは25%。その大半は10代後半の少年少女、純粋培養の世代だ」とある。母は大正末の生まれだから、この世代に近い。母に最後まで居座った戦争の記憶のものすごさには、恐怖さえ感じた。

 もしかしたら全国にはまだまだ、戦争の記憶に取りつかれたまま、高齢を迎えている人が、大勢いるのかもしれない。そして元気なら黙って耐えられるが、心身が弱ると記憶がマグマのように噴き出してくるのかもしれない。

2018年8月15日 (水)

『ピラミッド』  ヘニング・マンケル  創元推理文庫

 刑事ヴァランダーシリーズの最新刊だが、内容は若き日のヴァランダーで、後のCWAゴールドダガー賞を受けた作品より、昔の話である。このシリーズは長編が多く、5つの中短編集というのはめずらしい。

 スウェーデンのミステリーといえば、1970年代のマルティン・ベックシリーズが有名だが、こちらは1990年代を代表するシリーズと言われる。どれも緻密な筋運びと達者な文章で、いつもおもしろく、この中短編集も例外ではなかった。

 主人公のヴァランダーは、どことなくそそっかしく愛嬌があって、スーパー刑事ではない。ミステリーとしても、ハラハラドキドキというより地道な捜査の展開で読ませる本である。たとえば彼は、ピラミッドの三角形の絵を描き、そこに捜査でわかったことを書き加えて、懸命に考える。自分が「考える警官」であるという自覚もある。
 
 著者は2015年に亡くなってしまった。シリーズは全部で11作、訳者の柳澤由美子さんは、未翻訳の2作を訳されているとか。このシリーズの人気は、彼女の名訳にも負うところが大きい。楽しみにしよう。

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(主人公は男性刑事ですが、料理・洗濯・掃除を当たり前のようにこなしながら、捜査に当たっています。また容疑の妥当性をいつも考えており、つかまえればいいというものでもないと思っているらしい。読んでいて、北欧社会に根付く社会正義意識の強さを、感じることがあります)

2018年8月13日 (月)

『リウマチ患者さんのQ&A』(第2版)  日本リウマチ財団  2017.12.22

 この本は春に今の医者に替わったときに、必要で買ったものである。A4版100ページほどのパンフレットのようなものだが、とても役に立った。
 私は20年ほど前からのリウマチ患者で、ずっとMTXとステロイドを飲んできて、それなりに調子はよかった。去年秋の大病をきっかけに病院を替わったところ、新しい医師は「その処方は古い。副作用が心配だ」とおっしゃる。私はあわてて新知識を得ようと、ネットを見たり本を探したりした。なかなかいい本がない。みんな少し古いのである。私は自分に処方されるらしい「新薬」、バイオ製剤について知りたかった。

 この本は去年の末に出て、日本リウマチ財団のホームページに出ている記事が、もとになっているようだ。生物学製剤、つまりバイオ製剤が、もう新薬とは言えないほど普及しているのが、よくわかった。種類も多く、その効き方とか薬価などについて、とてもわかりやすく書いてある。ときに難しい内容もあるのだが、免疫の話はだいたいが面倒なものなので、我慢して読むしかなかった。

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(母が亡くなって疲れが出たのか、今までの薬のエスケープ現象なのか、検査結果が急に悪くなり、抗リウマチ薬がまた替わりました。朝の強張りが少し出て、両肩が痛く、水泳に差支えが出ています。でも見たところは普通らしく、患者を知らない人には、まず全く理解されませんね。家事や外出はできています)

2018年8月 4日 (土)

五十日祭

 母の五十日祭が終わった。仏教の四十九日に当たる行事で、このときに納骨も行う。当然ながら墓前で、つまり炎天下の墓地にみんな並ぶわけで、神主さんも大変。簡素で分かりやすい式辞を、書いたものなど一切見ないで、きれいな声であげてくださった。一つの区切りになり、総領娘としては大役を終えた気分である。

 墓地にはビーチパラソルがさしかけてあった。びっくりした。平日だったので、ほかに来客もなく、墓地は白々と明るく、ひたすら暑かった。

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 片隅に咲く凌霄花。スマホで撮ったので近寄れなかった。真夏に目立つ美しい花だが、花と蕾には毒があると聞く。

雨のなき空へのうぜん咲きのぼる〉    長谷川素逝

2018年7月28日 (土)

蓮開く

 もうじき母の五十日祭。仏教の四十九日に当たる行事で、納骨もこの日になる。私は兄弟のいない長女なので、喪主である。お墓の継承を済まさなければ、納骨もできないので、このところ忙しかった。

 以前に従兄が送ってくれた蓮の花の写真。場所は鎌倉の鶴岡八幡宮である。

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生きること死ぬことの訳蓮の花〉   伊丹三樹彦

2018年7月23日 (月)

41度!

 気象庁のデータでは、今日の練馬の気温は39.6度にまでなったそうである。でもうちの軒下に吊るしてある寒暖計では、どう見ても41度を超えている。

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 ここで暮らすようになって20年を超すが、いちばん暑い。もちろんどこにも出かけない。昨日は母のお悔やみ状に、汗をかきかき返事を書いたが、ポストに出しに行くのは日が落ちてからにした。今日は江戸文字の予習をしたが、頭が動かない。リタイアの身をありがたく思う。

 7月の検査が終わり、問題なかったのでほっとしている。この暑さにもかかわらず、去年より体調がいい。去年は、本人が知らなかっただけで、れっきとした病人だったのだ。

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